ごあいさつ 木村 勝志

ハラスメント(harassment、いやがらせ)とは、「優越した地位や立場を利用したいやがらせ」(広辞苑)のことで、DV、パワーハラスメント、セクシャルハラスメント、モラルハラスメント、アカデミックハラスメント等があります。これらの関係性にみられる特徴は、「権力」と「支配」です。

ハラスメントは、一部の特別な人々の間で起こる問題ではなく、「いつ、どこででも、誰にでも」起こり得る問題です。キリスト教の教団・教会・クリスチャンホームも決して例外ではありません。

むしろ、聖書のみことばや信仰を用いた操作や支配が生じやすい環境だと言えるかもしれません。そのため気づきにくく、表面化しにくいという面があります。

ひとりで悩み、黙って我慢しているだけでは、何の解決にもならないばかりか、かえって問題が深刻化したり、第二・第三の被害者が出たりする恐れがあります。どうか勇気を出してご相談ください。専門家の助けを仰ぎながら、祈りつつ対応し、秘密は厳守します。

以下のチェックリストの (      )には、牧師、教会役員、教会員、伴侶、親、兄弟、友人、恋人等、適宜入れて試してみてください。幾つかあてはまる場合は、力の差があり、相手からコントロールされている関係である可能性があります。

支配とコントロールのチェックリスト

(      )の言うことは絶対だ。
自分の意見や希望を(      )に伝えるのに、とても勇気がいる。
(      )がいると、(      )が帰ってくると緊張する。
(      )を恐れている。
(      )がいる前では電話をしたくない。
(      )を待たせることはできないと思っている。
自分がどう感じるかよりも、(      )が怒らないかが基準になっている。
予定より遅く帰るなんてできないと思っている。
(      )の言動に意見できないと思っている。
たとえ間違っていると思っても、(      )に同調してしまう。
(      )に自分の本音は言えない。
(      )が怒り出すと、なんとかなだめようとしてしまう。
(      )の機嫌が良い状態であるためには、どんなことでもすると思う。
どんなに自分が楽しんでいても、(      )の機嫌が悪くなると、もう楽しむことはできない。
自分のほしいものでも、(      )が良い顔をしなければ買えない。
子どもが(      )の気に入らないことをするとすごくあせる。

(『傷ついたあなたへ―わたしがわたしを大切にすること―DVトラウマからの回復のワークブック』
を参考にして作成)

ハラスメントのチェックリスト

□ 短気である。
□ プライドが高い。
□ 劣等感がある。
□ 自分の思いどおりに事が運ばないとイライラする。
□ 人に間違いを指摘されたり意見を否定されたりするのは我慢ならない。
□ いつも誰か他人のせいにする。
□ 世間体が気になる。
□ 大声で怒鳴ることがある。
□ 「厳しい人だ」と人から言われることが多い。
□ 人に謝るのが苦手だ。
□ 些細なことが気になったり傷ついたりする。
□ 自分のことを理解してくれる人が少ないと感じる。
□ 白黒はっきりつけなければ気が済まない。
□ (      )に対して「お前」と言ったり命令口調を使ったりする。
□ (   )によく説教する。
□ (   )が挨拶したり話しかけたりしても、無視して口を利かない。
□ (   )に舌打ちしたり溜息をついたりする。
□ (   )が楽しそうにしていると不機嫌になる。
□ 人の前で(   )を攻撃したりバカにしたりする。
□(   )の電話・メール・手紙等を細かくチェックする。

(香山リカ著『知らずに他人を傷つける人たち―モラル・ハラスメントという「大人のいじめ」』他
を参考にして作成)

※当てはまる項目が多いほど、ハラスメントをしやすい傾向にあると言えるでしょう。どうか勇気を出してご相談ください。解決の助けとなる専門家や書籍等を紹介することができます。

ハラスメント相談窓口

  ※日本イエス・キリスト教団の教会に行かれている方であれば、どなたでもご利用できます。

小岩 裕一・喜代美(和歌山教会、073-445-6909)

仁科 早苗(灘教会、078-801-9185)

木村 勝志(知多教会、0562-74-3327)